東京ループ
この街に来て4年
私は一旦ここを去る。
夢を捨てるつもりはないし、また帰ってくるつもり。
都会に出て来たあの頃
あたしの未来は輝いていて
夢だってなんだって叶う気しかしなかった。
希望とかそんな明るいものしか見えなかった。
いったいどこで間違ったかな?
どこで妥協して、どこで負けたのかな?
なんでこの街に来たのかな?
そんなのは簡単だ。
大学でだって勉強するつもりなんてなかった
兎に角、夢に近づくためだけだった。
大事なものが出来過ぎて
それを守ることにいっぱいいっぱいで
夢を忘れかけていた。
今は一休み。
回り道も必要だ。
間違っちゃいないよね。
最後の日、東京の景色はあたしに問いかける。
なんでこの街に来たのかな?
なにを夢見てきたのかな?
答えなんかはわかってる。
今は涙に滲んだ目でその景色を見つめるだけしかできないけれど。