初花凛々
ハローハロー春が来た。
花が咲いてる。
鳥が泣いてる。
あたしも泣いてる。
わがままだらけで困らせて
サヨナラを言ったのもあたしだ。
謝り方なら知ってた。
でも謝りたくなかったの。
悪いのはあたしだ。
ほんの少し前のあたしだ。
何も知らなかったあたしだ。
会いたいなぁ。
つい携帯に手を伸ばす。
舞う桜の花びらは一緒に見るはずだったのになぁ。
そう思って手を止めた。
ハローハロー君は今どこにいますか?
あたしの涙は今届きますか?
手を伸ばしたら捕まえてくれる?
そんなことを思いながら庭に出た。
泣きながら歌うんだ、あの歌を。
そしてスッキリしたら出かけよう
あの人が好きなあの場所へ。
たくさん花の咲くあの場所へ。
あの人がいてもいなくても
あたしがいてもいなくても
お互いの日々を祈るの、幸せであるように。
ハローハロー春が来た。
ハローハロー君はいない。
春風に吹かれて、泣いて、眠って、叫んで、笑って、いつか忘れるかな。